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2009年5月15日 (金)

【ソフトウェア開発における定量的管理③】開発者は指標値を意識すべきか否か

既に述べたように、ソフトウェア開発の定量的管理におては、達成しなければならないバーを定めて行う未達成事項の取り締まりと、開発プロジェクトの健全性を簡易的に把握しようという健康診断がある。

「計測を始めて何件かの実績値が集まったら、3σの範囲で上限下限を決めて管理を始めることができる」と言う考え方は、後者の健康診断的考え方だ。

しかし、一度上限下限の考え方を打ち出すと、その値に開発者が縛られる可能性がでて来る。
そうなると、その後の計測値は、それまでの指標値を睨んだ値となる。
これを積み重ねていった上で、継続的見なおしと称して、指標値をそれまでのデータで見なおしを行っても、最初の段階で定めた指標値に縛られている可能性が捨てられない。

だからといって、自然体で計測したデータを統計的に収束するであろう数だけ集めようとすると、今度は計測された値のバラツキが大きく、指標値が定まるまでにかなりの期間を要するであろう。統計的に確からしい計測値が定まる前に対象ソフトウェアの寿命が来て運用が停止されたというようなことになりかねない。

工業製品における製品品質は、「同じ品質」の「同じもの」をつくるために行うものである。

一方、ソフトウェア開発においては、「同じもの」を作ることはない。
「同じ品質」の「違うもの」を作るのだ。

「同じ品質」の「同じもの」というのは、「同じ品質」なら「同じもの」であり、かつ「同じもの」であれば「同じ品質」が成り立つことである。だから、「同じもの」というものの直接的な特性に対して計測することで定量的管理が可能になる。
長さや重さは一定の範囲内に収まっているか、性能は予め定めた程度を満たすか等を検査し、それから外れたら「同じもの」ではないとするのである。
長さ、重さ、スピード、処理能力、ゆがみの程度等、ものに対して直接観測できる事項を計測するのである。
また、プロセスの品質保証にしても、「同じもの」を作るために同じプロセスを徹底するのである。

工業製品では「同じもの」か否かの検査をすることが、「同じ品質」を保証するプロセスの1つになる。

これに対し、ソフトウェア開発は、「同じもの」を作らないので、「同じもの」か否かの検査アプローチで「同じ品質」を保証することはできない。

以上のことは、既に多くの人に言い尽くされている。
しかし、これを意識してか無意識にか忘れて管理をしているところが多いのではないだろうか。

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