書籍「ソフトウェア品質工学の尺度とモデル」には、「8.4 モデル評価のための基準」として、1984年に専門家のグループ(Ianninoら)が考案したという5つの基準を挙げている。
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1.予測妥当性
2.能力
3.仮定の質
4.適用性
5.簡潔性
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そして、本書ではその中でも、「予測妥当性、簡潔性、仮定の質」の順で重要であると強調されており、能力と適用性はそれほど重要ではないとされている。
重要な3つについて考えてみる。
○予測妥当性
でてきた予測が妥当でないことが明らかなものは、モデルたりえないことは明らかなのでこれは重要であろう。
但し、妥当か否かを判定する基準がそもそも定義することが難しいと思われるが。
○簡潔性
簡潔性については、この基準が考案されたのが1984年ということに注意が必要である。
確かに、収集したデータをプロットし、予測値の計算を行うことは当時のコンピュータシステムの環境では容易ではなかったと考えられる。
しかし、現在は、当時と比較して格段に高性能なPCにより、この簡潔性はそれほど重要ではないと考えてよいのではないだろうか。
○仮定の質
仮定の質…これを満たすことが非常な難関であることは既に見てきた通りである。
3つの重要な基準の中でこれが最も充足することが難しいのではないだろうか。
開発の実践において、十分といえる程度に充足するような仮定というものは、そもそも立てることが難しいであろう。
そして、統計処理に統計処理を重ねることが「指標としての価値」という点から、個別の開発の当てはめにおいて、十分活用するに足るものであるかということに、細心の注意が必要であると考える。
信頼度成長モデルは、一本の線で進むべき道が表示される神の啓示にみえてしまうが、本当にそうであろうか。
大雑把な道筋を見せてくれるだけのツールと考えるべきであろう。
しかし、統計的に正しいに過ぎないことなど神の啓示であるわけがない。
但し、使い方として、「上位管理層」「顧客」に、テストの十分性をアピールするためであれば、それはそれで意味がある。
「テストはちゃんとやっているよ」ということを「管理する側に」見える化するには分かりやすい図だといえるからだ。
この場合は、5つの基準は、ゆるやかに考えれば良い。
そして、「J-Mモデルの曲線と一致するのでテストは十分と考えます」等と言い切れば良い。
信頼度成長モデルを何のための活用するのかという目的に合わせた仮定の質を考えればよい。
実践上において仮定の質を上げることばかりに注意がいくと、本来何をするために信頼度成長モデルを活用するのかの目的を見失ってしまう。
ソフトウェア開発においては、ソフトウェアの開発が目的であって、信頼度成長モデルの厳密な活用が目的ではない。
作りたいソフトウェアのスコープからみてToo Muchな信頼度成長モデルの適用をすべきか否かはよくよく考えるべきである。
これは信頼度成長モデルに限らず、仮定に基づく管理全てに言える。
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