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2009年3月 9日 (月)

【ソフトウェア信頼度成長モデルを少しまじめに考える①】直感的理解容易性のために忘れられがちであるが悩ましい前提①

直感的な理解が容易であるために忘れられがちであるが、ソフトウェア信頼度成長モデルの悩ましい前提について詳しく考えておきたい。

考察のベースとして、
   Stephen H. Kan 著 古山恒夫・富野壽 監訳
     「ソフトウェア品質工学の尺度とモデル」(2004, 共立出版株式会社)
を用いる。
本書の「第8章 指数分布と信頼度成長モデル」にソフトウェア信頼度成長モデルについて述べられている。
そして「8.3 モデルの仮定」において、次の記述がある。

「信頼性のモデル化は、複雑な現実を正確な統計の言葉でまとめるための1つの試みである。モデル化する物理プロセス(ソフトウェア故障現象)に高い精度を殆ど期待できないので、モデルの開発にあたっては仮定を曖昧でない形で明らかにする必要がある。応用に際しては、基礎となる家庭が満足されているとき、モデルはより効力を発揮し、逆も成り立つ。言い換えると、仮定が妥当なものであればあるほどモデルはより役に立つものとなる」

この引用部分は、ソフトウェア信頼度成長モデルの適用を考える上での課題を簡潔に言い表していると考える。

○信頼性のモデル化は、複雑な現実を正確な統計の言葉でまとめるための1つの試みである

=>ソフトウェア信頼度成長モデルが対象とするものは、本来的に「複雑な現実」なのである。これを忘れてはならない。
  曲線1本で表されて、あたかもその線の指す方向が従うべき道に見えてしまうが、誤りである。
  ソフトウェア信頼度成長モデルから導き出される曲線は、統計的に引かれた線にすぎず、個々の「複雑な現実」によってブレることは、異例なことではないのである。

また、曲線の算出式自体が、ソフトウェア開発プロセスの論理的帰結から導き出されているのではなく、経験的に曲線は寝るはずであるからどうやって実際の計測値に合う式を見つけるか…から来ているので、そこから導き出される曲線1本にどの程度の管理が可能であるかを予め考えておくべきである。

実際の開発現場において、ソフトウェア信頼度成長モデルで表される曲線1本に、「複雑な現実」のどの程度を表現させることができるかを、自らの開発プロセスや過去の実績を省みて予め考えておく必要がある。

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