2015年5月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« 【ソフトウェア品質の定量的管理における想像力③】想像力について始めに立ち戻って再考 | トップページ | 【定量的品質管理あれこれ①】プロジェクト内で完結する定量的品質管理 »

2009年2月 3日 (火)

【ソフトウェア品質の定量的管理における想像力④】毎年目標値を改善しても毎年達成できてしまうという表彰すべき組織

見積もりを誤ったため実際の工数が計画対比オーバーして失敗したという事例が多い組織は、逆に、見積もりを誤ったため実際の工数が計画対比アンダーして失敗したという事例も多くてよさそうなはずである。
もし、工数オーバーの事例のみしかないのであれば、慢性的に見積もりを適正値より低く行っているか、実績対比見積もり工数が多いときは、なんとなく消化してしまっているのであろう。計画通りと言うことで、だれも文句を言わないのだからそれで良いという考えもあろう。
しかし、工数オーバーの場合はそうはいかない。誰かがその工数を負担しなければならないし、誰かが責任を取らなくてはならなくなる。

ここで指標値に戻って考えると、工数オーバーの場合は工数・成果物量ともに実際の数が計上されるだろうが、工数アンダーの場合は、どうだろう。

実際は、見積もり対比小さな工数で開発が出来たはずが、見積もり通りの工数が計上されていたら、生産性は小さくなろう。
計画対比かなり早く出来そうであれば、ゆっくりとやろう、早く帰ろうという気にならないか。

このあたりに生産性の指標値における作為の可能性が潜む。
定められた生産性を達成するため、最低限のバーは超えねばならないが、あるプロジェクトで見積もりを誤ったのか生産性が劇的に向上する見込みとなったからと言って、そのまま報告されると期待してよいのだろうか。
なぜずば抜けて良い結果になったかわからない値を素直に報告して、指標値見なおしにあたって上方修正されるのでは、開発者としては積極的に報告する気にはなれないのではないか。

一度数値が設定されたら、それが色々な意味で開発のベースになる。
数字を設定された値に近づけようというモチベーションが働くことを止めるのは難しい。

最初に実際の開発能力対比低すぎる値を設定してしまったら、それは本来得られるべきパフォーマンスを低下される方向に働くという可能性があることを意識するべきである。

ゆえに、3つや4つの計測データを採って、それを元に仮指標を作成して、以後はデータが増えるたびにその結果を取り込んで数字を精緻化していけばよいという考えは、仮に採用するのであれば、取得するデータが恣意的要素が入り込む余地の無いものに限った方がよいであろう。

さもないと、毎年目標値を改善しても毎年達成できてしまうという表彰すべき組織を、希望すればいつでも作れてしまうことになろう。

« 【ソフトウェア品質の定量的管理における想像力③】想像力について始めに立ち戻って再考 | トップページ | 【定量的品質管理あれこれ①】プロジェクト内で完結する定量的品質管理 »

ソフトウェア開発品質・生産性私見」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1048600/27673331

この記事へのトラックバック一覧です: 【ソフトウェア品質の定量的管理における想像力④】毎年目標値を改善しても毎年達成できてしまうという表彰すべき組織:

« 【ソフトウェア品質の定量的管理における想像力③】想像力について始めに立ち戻って再考 | トップページ | 【定量的品質管理あれこれ①】プロジェクト内で完結する定量的品質管理 »