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2009年2月 5日 (木)

【定量的品質管理あれこれ②】定量的管理におけるデータのばらつきに目をつぶるな

システム開発において定量的管理を難しくするデータのばらつきについて考える。
データのばらつきはどのようなときに生じるのであろうか。

個別のデータ項目によらないばらつき要因としては、
  ・作業者の能力レベルの違い(プログラマの生産性は10倍以上と言われる等)
  ・プロジェクト毎、要件毎の要求レベルの違い
  ・開発支援ツールの活用度合い
等が挙げられる。

これら要因によるばらつきは無視できないと考えるべきである。
定量的管理を行う際に最も注意すべきは「出てきた数字を盲信しない」ということである。
ばらつきを考慮した上で数字を取り扱わねばならない。

たとえば、新人とベテランプログラマの混成チームの人月当たりSLOC量はどうやって定量化するのかという場合に、単純に各人のSLOCの和と労働時間の和を出して割ればよいというわけではないと、分かるであろう。

分かるであろうが、そのように行っている組織があるのは何故か。
それは、ある程度の規模のプロジェクトではそれらが収束するであろうと期待しているからだという理由付けがなされることが多いと思う。

しかし、「人により10倍の差があるものが収束などするのだろうか」という疑問に統計学的に答えることは困難であろう、

にもかかわらず、
  単純に各人のSLOCの和と労働時間の和を出して割る方法
で、生産性が測られることが多いのは何故か。

それは、そこでいう生産性が何のために算出されるのかと言う目的に遡れば理解しやすい。

純粋な意味で自己の開発プロセスを改善するためであれば、ばらつきは厳密に評価されねばならないのではないかと思われる。
しかし、これを出すことで「誰かを説得できる」のであれば話は別である。
ばらつこうが何だろうが、「今回のプロジェクトの生産性はこれこれで、所期のパフォーマンスを出せています」と顧客や上位管理層にアピールするためであれば、個々のデータのばらつきについては「どうでも良い」と言えるかもしれない。

このような使い方は邪道だ、という意見が出ることは理解できる。

しかし、これも定量的データの活用方法として認めるべきであると考えるし、個人的には、これがソフトウェア開発における定量的データの最も有効な使い方であると考える。
あまりにバラツキが多いデータから改善の機会を見つけたり、改善の効果を定量的数字で表すことは、非常に困難なことであると考えるからであるし、劇的な改善の契機は地道な計測からではなく、定性的管理で発見できると考えるからである。

ツールを導入して「導入前対比○○%生産性がアップしました」というのは「顧客や上位管理層にアピールするため」であって、それで更なる改善のきっかけにはならないのではないか。

但し、「顧客や上位管理層にアピール」はしないと、新しい取り組みが許可されないこともあるだろうから、そのために計測することは「あって良い」と考える。

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